埼玉県川越市、喜多院前の「はすのかカフェ」という小さなお店の厨房にいる男のブログです。
当店には、ライ麦全粒粉100%のパンを使ったお食事プレートがございます。
このライ麦パンは、ライサワー種を作るところから北海道産のライ麦全粒紛のみを使った純国産の自家製パンです。

当然ですが、原材料は「ライ麦」「塩」「水」のみ。
ライ麦粉は江別製粉(株)さんの北海道産ライ麦全粒粉を仕入れて使っています。
ちなみに当店のライサワー種は2021年から種継ぎして使っている4年物(2025年現在)。このまま5年、10年と継ぎ足ししながら使い続けたいものです。
こちらの記事「全粒穀物の栄養素」にのせているデータから読み取れる通り、ライ麦はなかなか強力な栄養価を持った穀物。
この素晴らしい素材を使ったメニューを何としても作り上げたいという思いから、当店のライ麦パンプレートは誕生しました。
ライ麦100%パン、ドイツではロッゲンブロート、デンマークではロブロと言うようですが、日本では本当に馴染みのない、ほとんどお目にかかることもない、地味で目立たない存在です。
精白された小麦で作られた白くてやわらかくて甘いパン達の陰にすっかり隠れきってしまい、舞台の端のほうでひっそりと日の目を見ないでいるばかりのライ麦パンの本当の実力を世に知らしめたい、多くの人に価値を知ってもらいたい、という思いが当店のライ麦パンプレートに込められています。
が、当店の飲食店としての実力がまだまだしょぼいので、その思いもなかなか成就しないというのが現実。
ライ麦100%パンは穀物の重厚で滋味深い香りが特徴の肉厚な食感のパンです。
ややねっとりモソモソとして酸味もありますので、そのあたりが一般ウケしない理由だと思います。
でも油脂と一緒に摂取することで酸味が和らいだり、適度な水分を含んだ食材を添えることでモソモソ感を軽減したりと、工夫次第で一般ウケするレベルまで持っていけるんじゃないかということで試行錯誤し続けた結果として現在の当店のライ麦パンプレートが存在します。
もちろんこれはあくまで現時点での解。
今後さらに進化・改善を続けてもっと良い形に変化させていくつもりです。
なにはともあれ栄養価の面からみると白いパンなど足元にも及ばない逸材。
どうにかたくさんの人に食べてもらいたい。
そんなライ麦100%のパンを使った当店の「ライ麦パンプレート」。その内容をここで詳しく紹介させていただこうと思います。

1、サラダ
9~10種の野菜を使ったサラダ。日によって内容は変わります。
2、ドレッシング
トマト、ゴマ、玉ねぎがベースの自家製ドレッシング。
すべての素材を加熱していませんので栄養素がそのまま取り込めます。このドレッシングそのものがちょっとした総菜ともいえるようなドレッシングです。
3、目玉焼き
塩コショウを振った半熟の目玉焼き。
4、ザワークラウト
発酵キャベツとも言います。市販品を使うことが多いです。
5、キャロットラペ
ニンジンとたっぷりのEVオリーブオイル、ドライフルーツ、ナッツをふんだんに使いました。
6、くるみ
くるみです。
7、「アボカドディップとツナ」のせライ麦パン
アボカドとエキストラバージンオリーブオイル、塩、ホワイトペッパーで作ったディップの上に、ノンオイル仕立てのツナをまぶして、ディルウィードを振りかけました。アボカドとオリーブオイルの個性的な香りと脂質が、チーズの脂質と溶け合ってライ麦パンをしっとりと包み込みます。
8、「リンゴコンポートとトマトスライス」のせライ麦パン
キビ砂糖と白ワインで皮ごと煮込んだリンゴと、トマトスライスとの組み合わせはみずみずしく、スライスチーズとの相性もなかなか。 ライ麦パンをさわやかなデザートのように仕上げます。
9、「赤いんげんのスパイス煮」のせライ麦パン
じっくり炒めてうまみを引き出したトマトと玉ねぎ、コリアンダー、クミンシード、ブラックペッパーなどのスパイスを加えて赤ワインでコトコト煮込んだ赤いんげんのスパイス煮をたっぷりのせました。
たんぱく質もポリフェノールもしっかり摂取できます。
ホクホクした豆の食味とボソボソしたパンの食味がチーズの脂質によって絶妙に融合。ボリュームのある一枚。
栄養価という意味ではかなり完成された「お食事プレート」だと自負しております。
三大栄養素(糖、たんぱく質、脂質)、ミネラルもビタミンもしっかり摂取できます。
ライ麦100%のパンを売っているパン屋さんはそこそこありますが、ライ麦100%パンを使った「お食事」を提供している「飲食店」はネットで調べた限り日本には存在しないようです。(もしご存じの方がいらっしゃいましたら是非メールでお教えください。)
なおGeminiに「日本でライ麦100%のパンを食事として提供している飲食店を探して」とお願いしたら「ない」と言われましたT_T。言い方を変えて「川越市でライ麦100%のパンを食事として提供している飲食店を探して」とお願いしてもダメでした。彼には失望しかありません。
いわゆる黒パン好きの方はそれなりにいるとは思うので、そういう方にはきっとご興味を持っていただけると思っていますが、当店の存在がまだほとんど知られていないこともあり、まあ実にこぢんまりと展開しているところです。
それでも確実にファンは増えています。
黒パン好きにはぜひお試しいただきたく、このブログを見つけて興味を持ってくださった方のご来店を心よりお待ちしております。
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はすのかカフェ
食べることが生きがいのような食いしん坊夫婦が切り盛りしている腸活要素満載の小さなカフェです。お近くにお出かけの際は一度覗いてみてください。
住所:日本 埼玉県 川越市 小仙波町 1-3-7-2
営業時間:11:00-16:00
定休日:金曜
電話番号:049-214-1814
ウェブサイト:https://cafe.hasunoka.jp